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霧島戦記

 
       

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 2650年の世界地図
テレジアは第3次世界大戦で保護国、要は領土を大きく拡大している。

第3次世界大戦はザフト共和国、タロン連邦とテレジア連邦共和国の戦争で霧島共和国はまだテレジアの保護国であった。
2602年、26世紀を迎えて高まっていたお祭りムードが落ち着きはじめてきたころ、当時のザフト共和国中央のクリケット山脈で新
資源である"クリケットオイル"が発見される。石油とは違い、マントル層付近の地殻で精製されたもので主成分は水素。
枯渇が近い石油の値段高騰を解決する代替燃料として期待された。

2610年には実用化され、クリケット山脈が安定陸塊に属し火山でもなかったため、くみ上げによる大量生産も同時に開始した。
これによりザフト共和国の財政は潤い、大幅に減税される。一方産油国でもあるテレジアは大幅な減益となり、増税も検討される中、当時テレジアを牛耳り、ひそかに軍備を拡張していたテレジア幹部による”クラウン”のメンバーが当時の大統領汚職事件で表沙
汰となり混乱に陥る。この事件をきっかけに西側地域”ルーメン”を中心にクラウンへの反発が強まり、2614年7月、汚職した大統領の身内が大統領に当選したことが発覚したことをきっかけにルーメン州軍及び住民とテレジア政府軍が紛争状態に陥る。

反政府勢力は州軍とはいえ政府軍の物量にかなうはずもなく、8月には反政府勢力の殆どがザフト共和国国境を越え亡命する。
人口が国土の割に少なく、人命を重視するザフト共和国はこれを受け入れてしまう。
亡命した人々はザフト国民として受け入れられ、何の不自由もなく暮らすことになるが、テレジア政府はこのことに関し非難声明を発表、事件が事件なだけに世界に緊張が走る。

そして翌年の8月、残存反政府軍が首都で暴動を起こしその現行犯として亡命した反政府勢力メンバーが逮捕された。
さらに、この暴動に使用された機材がザフト共和国より持ち込まれたものであるとされテレジアはザフト共和国が暴動に関与して
いることを指摘。ザフト共和国はこれを完全否定する。テレジアは制裁として当時需要の高かったレアメタルの輸出を規制し、ザフトは工業に打撃をうける。
2617年8月ザフトはこれを不当としてクリケットオイルの輸出を規制する。
にらみ合いの後、再び起きたデモを機にテレジアが宣戦布告、電撃戦を展開し一気に国境を超える。
ザフトと同盟関係にあるタロン連邦もザフト防衛戦に参加し、3次大戦が勃発した。

その後の戦闘により両国の国境はじわじわ後退し、ザフト共和国国境はクリケット山脈山麗まで押されタロン連邦に至っては首都領土の半分を失った。
戦中は現代大量破壊兵器による悲惨な戦闘が続いた。
一方テレジア各地に隠れていた反政府勢力は同じ思想をもつ一部の軍と霧島地域で合流し、政権奪取をもくろむ。

1630年、霧島地域ウエストゲート軍港でテレジアの政府軍の巡洋艦2隻、戦艦1隻をハイジャックした反政府勢力一部は、国内にも存在した反政府勢力と共に国会を襲撃し、クラウンメンバーとその側近は殺害された。
そしてそのまま政権は転覆し、現在にいたる。
その直後両陣営は停戦協定を結び3次大戦は一応の終結を迎えた。
霧島地域は政権交代後の混乱で資金難となり、有志によって独立、その後は独自の道を歩むこととなった。